「ジ・ジ・ジ」蝉がなく。
カラン。
ステンレスのマグカップの中で、氷が溶ける。
アイスコーヒー。
夏だと思う。
僕は夏を何回過ごしてきたのだろう?
良く分からない?
考えたくもない?
頭の中はグルグル回っている。
「はぁ、」
と溜め息をつき、
そっと、独り言を言う。
「しかし、時間は流れ続けてきた。」
心も訴えかけてくる。
「そのとおり、君がいくら逃げたり、忘れようとしてもね。」
リュックサックから、手帳を取り出し、
冒険しようか?
戦おうか?
と、ペンで書く。
翼を休めていた鳥も、いつかは羽ばたかねばならない。
まだ、僕には時間がある。
窓の外に広がる、青空をみながら、
僕は思った。
いつでも、その時が来るように準備しようと。
いや、その時を引き寄せてやると。
窓の外の緑が眩しかった。
さあ、
この場から、一刻も早く立ち去らねばならい。